この記事は投資に関する内容が含まれています。
ここではあくまでも私的な考えを紹介させていただいており、投資は自己判断でお願いします。
今回の記事では、シンバイオ製薬の黒字化の道筋をごく簡単に記載したいと思います。
2021年にシンバイオ製薬が注目されている理由の大きな理由が「黒字化」です。
最近の盛り上がりで私もネットやSNSでいろんな方々の意見を見させていただき、「黒字化」するかどうかについては様々な意見があって当然だと思っています。
しかし、一部の方が、今年のシンバイオ製薬のビジネスの動きをご存知ないままに、黒字化に疑いを持っているのではないかと思い、今回の記事を書くことにいたしました。
内容はシンバイオ製薬のここ数年の動きを見てきた方なら、当たり前の内容ですが、できるだけ多くの方が正しい認識を持って投資に臨めるように、書いていきます。
<目次>
・シンバイオ製薬とは
・シンバイオ製薬の黒字化に疑いを持っている人がいる!?
・シンバイオ製薬の黒字化までの道筋
<シンバイオ製薬とは>
シンバイオ製薬とは、製薬会社であり、未だ満たされていない医療ニーズを対象として医薬品の開発を進めています。
主に取り扱っているのはトレアキシンという血液がんを対象とした薬です。
その他にも注目のパイプラインはありますが、今年の黒字化に影響するのはトレアキシンの利益となります。
<シンバイオ製薬の黒字化に疑いを持っている人がいる!?>
シンバイオ製薬の2021年度決算で黒字化するかどうか。
これに対しては、いろいろな意見があってしかるべきでしょう。
しかし、他の薬の承認は今年はないので黒字化できない、とか2021年1Qが赤字だからこのままいくと黒字化できない、とかいう意見を目にします。
上記のような理由で黒字化がないと考えている方は、「新商品が出ないので売り上げが伸びない」とか「1Qで赤字で今年新たな薬が出ないのであれば通年で赤字を克服できない」と思っていませんか?
こういう方々がいらっしゃる理由を私なりに考えたところ、今回のシンバイオの黒字化までの動きや、製薬企業の特殊なビジネスモデルが原因ではないかと考えています。
<シンバイオ製薬の黒字化までの道筋>
シンバイオの黒字化への道筋は大きくは2つです。
1.トレアキシンの販売を自社販売に切り替えたこと
2.再発又は難治性DLBCLを対象としたトレアキシンの承認が3月に承認されたこと
1.について、トレアキシンは2020年12月まではエーザイ社に販売を任せていました。それによりエーザイ社に多額のロイヤリティを支払っていました。
それが自社販売になり、ロイヤリティの支払いがなくなった分がシンバイオの売り上げとして乗ってきます。
2.について、1Q(1~3月)は赤字は縮小したものの、赤字のままでした。
確かにシンバイオの売り上げはトレアキシンに依存しており、他のパイプラインは今年の承認はありませんが、売り上げは伸びます。それは2021年3月に再発又は難治性DLBCLを対象としたトレアキシンの承認がされたことです。
再発又は難治性DLBCLの患者数は、従来のトレアキシンの対象となっていた患者数の2倍の数だといわれています。すべての患者の薬が急に置き換わることはないですが、大きな売り上げの伸びが期待されるのは確かです。
つまり、現行の開発中パイプラインが承認がなくとも、3月以降の売り上げの増加が見込めるわけです。ですので、1Qが赤字だからと言って、単純に通期での黒字化は難しいとはならないわけです。
ネットやSNSでは、あえてわかっていないふりをしてネガティブキャンペーンをしている人もいるので、一概には言えませんが、もし誤解している方がいたら、正しく理解をして投資の判断材料としていただけると幸いです。